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清水港の景観規範による再生可能エネルギー施設建設の取組み

「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という総理大臣所信表明。

地球温暖化につながる温室効果ガスの排出をゼロにする「脱炭素社会」の実現は、2030年のガソリン車使用禁止などグローバルスタンダードによる技術革新の取組みが急務になります。

そのひとつとして、再生可能エネルギー施設である洋上風力、太陽光発電、バイオマス発電他の事業計画・整備が進んでいます。静岡でも沿岸域の遠州灘、下田での洋上風力発電、伊豆では太陽光発電事業が計画されています。長年、当たり前だと思っていた風景は、巨大施設・工作物により故郷の風景観がその損なわれるという事象に出くわします。地域の人々が地域景観との調和を図るかが極めて大きな課題になります。

さて、清水港においても全国的に日照条件が良いことで、平成24年頃から太陽光パネル建設事業が次々に始まりました。一般的には太陽光パネルは、黒色が主流です。黒色は、海景を壊す色彩になります。清水港の周辺には日本平、船越堤、薩埵峠等の眺望地点が存在することから、本計画では屋根色をベースカラーに位置づけています。既にマリンビルの屋根が銅板であり日の出地区をエメラルドグリーンに設定し駿河湾の海色に融和するグラデーションによる配色計画により風景に厚みを加えています。
 

地元企業の鈴与商事(株)から「四半世紀にわたり、地元の総力で創り続けてきた清水港の景観を守ろう、継承しよう」と、京セラ(株)へ景観に溶け込むベースカラーの屋根色である濃紺色のパネルの開発依頼がなされ、製作されました。

その濃紺色パネルが清水港のスタンダードになり、その後、建設された中部電力(株)のメガソーラーしみずやJFE(株)メガソーラー、三井物産(株)メガソーラーパネルの色彩は濃紺色に踏襲されました。

建設規模にかかわらず合同庁舎や民間事業者もその景観価値は引き継がれた風景創造になります。是非、参考にして下さい。